SEL1670Z

α5100購入と同時にソニー/カールツァイスのズームレンズSEL1670Zを購入しました。キットレンズのSELP1650と焦点距離はかぶるところがありましたが、より撮影を楽しむためにより性能の高いズームレンズを購入しようと当初から思っていました。


一言でいうと、SEL1670Zは色々な意味で「バランスのよい」レンズです。特に大きさ、重さ、焦点距離、画質、最小F値、ぼけ味、焦点合わせのしやすさのバランスがうまく取れています。


[大きさと重さ]

まず大きさと重さですが、SEL1670Zをつけた状態のα5100は携帯性の観点から限界なのではないかと思います。α5100の奥行は3.57センチで、SEL1670Zの長さが7.5センチなので、合わせると全長約11センチになります。重さはα5100の本体がバッテリーとメモリーカードを入れた状態で283グラム、SEL1670Zが308グラムなので合計591グラムになります。


Eマウントのズームレンズの中で他にも興味があるものがありました。特にフルサイズイメージセンサーが搭載されたα7シリーズにも適用できるSEL2470ZとSEL1670Zの間で大分悩みました。しかし、いずれα7シリーズを購入するかはかなり不確かであった上に、SEL2470Zをつけた状態のα5100は、SEL1670Zをつけた状態より全長が2センチ長くなり、重さが118グラム増します。また、焦点距離も広角側が8ミリ長くなるので写せる範囲もかなり狭くなります。


その他にもSELP18105G、SEL18200LE、やSEL24240も検討しましたが、α5100と組み合わせた場合の全長と重さが「気軽に持ち歩いて写真を撮りたい」という当初の目的には合致しませんでした。従って、SEL1670Zが携帯性の観点から、α5100につけたときに限界であると思いました。


レンズフードなしの状態


フード付きの状態


SEL24F18Z(左)と比べた状態

α5100に付けた状態


真横から


斜めから


レンズフードを付けた状態


[用途の広さ]

SEL1670Zはなくてはならない場面がたくさんあります。まず、16から70ミリ(APS-Cの場合、実質24から105ミリ)という焦点距離は、SELP1650や単焦点レンズSEL24F18Zではできないことを可能にしてくれます。例えば、風景を撮る時にSEL24F18Zの24ミリではどうしても画角が一回り狭いと思うことがよくあります。やはり16ミリまで広いと風景をダイナミックに写せて楽しいです。このダイナミックさを出すためだけにSEL1670Zにレンズを交換することがよくあります。こちらがその一例です。


16ミリの広い画角は屋内でも大活躍で、SEL24F18Zの24ミリでは入りきらないものも16ミリなら余裕で入り、表現したいもの可能にしてくれます。こちらは教会の内部ですが、柱が上まで入っており、床もかなり広い面積が写せて、写したかった教会内の壮大さがしっかり写せています。


また、もちろん遠方にあるものを出来るだけ大きく写しこみたいときに役に立ちます。遠方と言っても色々な場面があると思いますが、70ミリあると50ミリまでのSELP1650とは違い、対応できる場面が増えます。例えば、子どもの学校行事(発表会、運動会、卒業式など)の時には70ミリまでで十分子どもが大きく中心に写る写真や動画が撮れます。また、景色などの一部を切り取りたいときにも70ミリで十分です。しかし、遠方にある特定の物体を撮影するにはやや望遠側が足りないでしょう。例えば、動物・昆虫撮影や月などを大きく写すことは難しいです。撮影後にソフトを使って切り取って拡大することはできますが、ぼやけたりノイズが増えて画質が落ちます。


撮影後の加工が面倒な場合は、α5100に付いている、「光学ズーム」、「全画素超解像ズーム」と「デジタルズーム」を使うと、画質は落ちますがかなり被写体を大きく写せます。例えば、画質を「ファイン」にして画像サイズを「S」にすると、70ミリからさらに最大で8倍ズームすることができます(560ミリ、つまりAPS-Cの場合840ミリ相当の大きさまで拡大できるということでしょうか)。この方法で撮影したのが以下の写真です。


16ミリと70ミリの間の焦点距離はあまり使いませんが、動ける範囲が限られている場所で写したい範囲を最適なものにするために中間域は便利です。


レンズによっては焦点距離によって開放絞り値が変動するものがあり、焦点距離を変えたときに露出を調整する必要がある場合があります。SEL1670Zの場合は、開放絞り値がすべての焦点距離において4なので、開放絞り値で撮影をしたいときに焦点距離を変えても、露出を調整する必要はありません。とても便利です。


[表現]

望遠端の70ミリの写りは特に気に入っています。被写体を引き寄せて大きく写せるだけでなく、開放絞り値で撮影した場合適度なボケが入るので被写体がうまく浮き上がります。

広角端の16ミリは風景などをダイナミックに写せるところが気に入っています。


24ミリ付近ではSEL24F18Zの方が画像の緻密さに分があることが多いですが、SEL1670Zもほぼ同じ条件で撮影をしてみるとそれほど差がない時もあります。以下、黒白とセピアで色は違いますが、その他は同じ条件で同じ被写体を写したものです。


まずはSEL1670Zで写したもの。


次にSEL24F18Zで写したもの。


どちらも細かいところまで鮮明に写っており、ほとんど差はありません。


しかし、SEL24F18Zは開放絞り値が1.8なのでSEL1670Zより表現の幅が広いのは確かです。


[フォーカス・ズームリング]

SEL1670Zのマニュアルフォーカスリングは丁度いい重さでフォーカスの調整がとても快適です。ズームリングは最初のころは重めでしたが使っていくうちに丁度いい重さになり、動画を撮っているときもズーム中に突っかかることがなく、スムーズに操作できます。


全体的にSEL1670Zの方がSEL24F18Zより使う頻度が高いです。やはり画角を素早く変えて構図を調整できるズームレンズは便利です。SEL24F18Zは家にいる時など余裕がある時や、外で「どうしてもこのレンズで写したい!」と気合を入れて撮る時を中心に使っています。一方、SEL1670Zは何を撮るかまだわからない状況でとりあえず付けておけば安心して外出できるレンズです。画像の質も高いので、その意味でも安心して撮影をすることができます。

0コメント

  • 1000 / 1000